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今や生活に欠かせない半導体がなぜ不足しているのか

パソコンやディスプレイ、ネットワーク関連機器など、昨年から品薄の状態が続いています。

コロナ禍によって、リモートワークが普及し、一人一人が使用する端末の需要は増えているはずですが、市場でパソコンが品薄なのは、2020年秋以降からの世界的な半導体不足に原因があります。

自動車に関しても納車が数か月、半年待ちという話も聞きます

 コンサルティング会社の米アリックスパートナーズは、半導体不足による世界の自動車メーカーの生産損失額が2021年に2100億ドル(約23兆円)になるとの予測を公表した。5月時点では損失額を1110億ドル(約12兆円)と見積もっていた。マレーシアでのロックダウン(都市封鎖)など、新型コロナウイルス感染拡大の影響が各国に広がり、状況が悪化している点を反映した。

半導体不足の影響、自動車メーカーの生産損失額は23兆円に 出典:Yahooニュース

今回は、様々な業界に影響を及ぼす「半導体不足」について記事にしたいと思います。

まずは半導体とは?

一般的に昨今話題となっている「半導体」とは「半導体集積回路」の略になります。

電気を通す「導体」と、電気を通さない「不導体」がありますが、半導体はその中間の性質を持つ物質です。

条件によって電気を通す時と、通さない時がある。

この半導体の性質を利用して、高速で半永久的に動作する電子的スイッチとして使われるのが「半導体集積回路」です。

人間は 0 ~ 9 の10個の組み合わせで数を表現する「 10進法」で計算しますが、コンピューターは「0」と「1」の 2つの組み合わせだけで数を表現する 2進法を使用しています。

2進数の「0」はスイッチ OFF 、「1」はスイッチ ON として置き換えられます。

コンピュータのデータは「0」と「1」の並び方によって、様々なデータとして文字や画像などを表現しています。

現在ではコンピュータで扱うデータは膨大なものになっています。

高速でスイッチをONOFFすることができる半導体集積回路で「0」と「1」によって表現されるさまざまなデジタルのデータを、計算したり加工したりすることが可能になっています。

コンピュータ以外に様々なものに使われている半導体

半導体は言わばパソコンなどの頭脳の役割をしていますが、IoTが普及した現在では、パソコン以外のあらゆるものにも使われています。

最近ではテレビもインターネットにつなぐのが当たり前になっているので、コンピュータと同じように半導体が使われています。

冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどもセンサーや制御装置として半導体が使われています。

銀行のATM、電車の運行などにも半導体は欠かせないものになっています。

EVや自動運転にも半導体は大きな役割を果たしています。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、人々はZoomを利用して仕事や学習をしたり、Skypeで友人と交流したり、Netflixにのめり込んでロックダウンの憂さを晴らしたりするようになった。その結果として需要が急増した製品が、テレビやノートPC、タブレット端末である。ところが、人々が画面を見て過ごす時間が大幅に増えた結果、半導体の供給不足が起きた。このためテレビをはじめとする一部の電子機器の価格が高騰している。

半導体不足による「値上げの連鎖」が、家電にも波及し始めている 出典:WIRED

半導体不測の原因

半導体不測の原因は、実は需要側、供給側両方に原因があると言われています。

需要側

2021年の4月5月あたりからコロナ禍は本格化し、その影響で工場の操業停止やロジスティクスの停滞で市場は大きく混乱しました。

さらにリモートワークの急激な普及によって、最初はパソコンなどに搭載されるPMIC(パワーマネジメントIC)が不足し始めました。

さらに、巣ごもり需要の拡大で自宅で映像コンテンツなどを見る機会が増えたことによって、ディスプレイやテレビに使われる半導体DDIC(ディスプレイドライバーIC)に不足の状態に陥りました。

そして、いったん停滞していた自動車市場が2020年9月以降に回復。

そのため、自動車の動作制御も担っているMCU(マイクロコントローラー)も不足しました。

自動車メーカー各社が減産するというニュースは世間をにぎわせました。

東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大等に伴う部品供給不足により、9月ならびに10月の生産計画の見直しを実施いたします。9月は、8月19日公表の計画変更(「9月の国内工場の稼働について」)に、追加の変更となります。お客様及び関連仕入先の方々には、様々なご不便をお掛けすることをお詫び申し上げます。
今回の見直しに伴うグローバルでの影響台数は、8月時点の生産計画に対し、9月追加分が約7万台(海外4万台、国内3万台)、10月分が約33万台(海外18万台、国内15万台)の減産となります。

2021年9月ならびに10月の生産計画見直しについて 出典:TOYOTA

供給側

ここ最近、半導体メーカーはコストのかかる自社での生産から、ファウンドリーと呼ばれる半導体を受託で生産する企業への製造委託に切り替えていく傾向にありました。

コロナ禍は誰にも想像することができなかったため仕方ないことですが、ファウンドリーの多くは、半導体の生産能力を現在の需要に対応するほど拡大しておらず、急増した注文に供給が追い付かない状況なりました。

さらに、2020年4~6月頃は、需要が落ち込んでいた自動車向けの半導体の生産能力をひっ迫していたパソコン用などの半導体の製造に振り分けていた工場が多かったため、半導体市場は混乱しました。

さらに、国際情勢の大きな変化も重なりました。2020年12月のアメリカ政府による中国企業への禁輸制裁です。その影響で台湾など他国のファウンドリーへ注文が集中し、半導体不足が加速したと言えます。

そして2021年以降、様々な自然災害、事故なども重なりました。

[サンフランシスコ 2日 ロイター] – 米テキサス州の業界団体「オースティン地域製造協会」のエドワード・ラトソン最高経営責任者(CEO)は、寒波で閉鎖されたサムスン電子などの州内の半導体工場について、生産再開に数週間必要との認識を示した。顧客は数カ月後に波及効果を受ける可能性があるという。

寒波被害の米テキサス半導体工場、生産再開に数週間必要 2021年3月3日 出典:ロイター

自動車業界にとって最大規模の半導体メーカーである、日本のルネサスエレクトロニクス(以下ルネサス)の工場で先週、大規模な火災が発生した。半導体不足が問題となっている中での出来事だけに、業界への長期的な影響が危ぶまれている。

茨城の半導体工場火災 国内外の自動車生産への影響は 2021年3月24日 出典:BBC

現在半導体メーカーや各国政府は増産や投資拡大に向けて動いていますが、一朝一夕に改善されるとは言えない状況になっています。

まとめ

すでにわれわれの生活に深く浸透した半導体。

しかし、自動運転やIoTなど成長産業に深く関わる半導体市場は、2030年までに約100兆円規模に到達するという予想もあります。

かつては、日本も世界の半導体市場を牽引していましたが、今では遅れをとっています。

今後は政治や地理的状況も踏まえて、様々なことを注視する必要があるかもしれません。

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